葬式マナーと礼儀

葬式となると何をしたらいいのやら?お葬式に行く人必読。

葬式 流れ

仏式の葬式の流れは、以下となっています。
通夜の場合、開式→僧侶入場→開式の辞→読経→焼香→
僧侶退席→閉会の辞→通夜ぶるまい→通夜ぶるまい終了
告別式の場合、開式→僧侶入場→開式の辞→僧侶読経→
焼香→僧侶退席→お別れの儀の準備→お別れの儀→出棺

通夜に参列した場合の参列者の流れとしては、
受付→案内にしたがって着席→僧侶読経→
遺族、近親者のあと順に焼香→
一般参列者は喪主の挨拶が終わり次第退出→通夜ぶるまいに出席
→辞去となります。

通夜の場合には式の後に通夜ぶるまいがあること、
告別式の場合では出棺があること、が大きな違いとなっています。

通夜ぶるまいは葬儀の一環で、
故人の供養のため、僧侶や弔問者を酒食でもてなすものです。
ひと口でも箸をつけるのがエチケットとなっています。
故人とあまり親しい間柄でなければ、
通夜ぶるまいには出席しなくてもかまいませんが、
その場合は、遺族や世話役にあいさつし、目立たぬように退席します。
ただし、「お席を設けてありますので、どうぞ」とすすめられた時は、
通夜ぶるまいを受けるのがエチケットとされています。

また通夜ぶるまいで出される料理かつては
肉や魚類などの生ぐさいものを避け、精進料理を出していました。
しかし、最近ではあまりこだわらず、寿司、サンドイッチなど
葬式に参列した方が食べやすいものをふるまうことが多いようです。

最近では、通夜ぶるまい自体簡略化される傾向があります。
通夜ぶるまいを簡略した場合、弔問客に折り詰めや
日本酒の一合びんをセットしたものを持ち帰ってもらうことなどもあります。

告別式の際のお別れの儀では、御遺体の周りを花で飾ります。
葬儀担当者が供花の花を、お盆などに入れてくれますので、
棺の中に花を入れてお別れをします。
その後、御棺のふたが閉じられ、出棺です。
葬儀に参列した方では、出棺までが故人を
見送る最後の儀式になります。
出棺は出来るかぎり見送るようにしましょう。

棺が運び出され霊柩車に乗せられ、遺族の挨拶があります。
霊柩車を見送る時は合掌または黙礼します。

葬式 日取り

お葬式の日程では、亡くなった日の翌日に通夜、
翌々日が葬儀・告別式ということ多いようです。

しかし、亡くなった時間が夜遅かったりした場合など、
準備に時間もかかりますし、僧侶の都合や
日柄を考慮する場合もあるので、日程は前後することもあります。
また、年末年始にかけて休む火葬場が多いことも知っておきましょう。

お葬式での日柄、というと、
お葬式は仏滅に、とも考えられることがあります。
実はこの仏滅は六曜から来るもの。仏教と六曜とは異なります。
つまり、この六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)と
お葬式の日取りは関係ないのです。

仏滅は元は六曜の「仏も滅するような大凶日」。
「物滅」と呼ぶようになり、これに近年になって
「佛(仏)」の字が当てられたものです。
お葬式は友引に行うと、友を引いてしまうため、避けた方が良い、
とも言われていますが、これも迷信。

六曜は、暦注の一つで、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6種をいい、
先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の順に繰りかえすもので、
日の吉凶をあらわしています。

六曜と仏教とは関係がないため、お葬式の日取りには特に影響しません。
六曜は賭け事、勝負事から入って来ており、
友引とは「勝負事で何事も引分けになる日」という意味。
時間帯では朝夕は吉、昼は凶となります。
つまり、字としては「友を引く」となっていますが、
本来の意味としては「友を引く」意味はありません。
しかし、このような迷信が一般的に広がり、
友引の告別式は少ないことから、
火葬場でもお休みにしているところが多いようです。

その後の法要は仏式では、最初に初七日(七日目)、
その後七日おきに法要がありますが、
今は七七日(四十九日)法要まで何も行わなくなってきています。

また、初七日もお葬式の時、
火葬場から帰ってきた遺骨を迎える還骨勤行とともに
行うところも多くなってきています。

年法要では翌年の祥月命日(死亡した日と同月同日)を一周忌といい、
死亡して満二年が三回忌になります。
つまり、亡くなった翌年、翌々年と法要が二年続きます。
この後、七、十三、十七、二十三、二十五、二十七、三十三、
三十七さらに五十、百回忌となります。

葬式 挨拶

お葬式の挨拶としては、喪主および遺族が行うもの、
そして、弔問客が遺族に対して行うものがある。

多く遭遇するのは、弔問客としての挨拶。
弔問客としてお葬式に訪れたとき、
受付の時、最も多く使用されるのは、
「この度は誠にご愁傷様です。心からお悔やみ申し上げます。」
という言葉である。

挨拶の時に、
亡くなられた方との関係で、そのほかに言葉を付け足すこともあるが、
受付の時には、列で並んでいることを考慮すると、
簡潔に済ませる方がよい。

またお葬式の挨拶では、神式、キリスト教式では
仏式言葉は避けた方が無難。
お葬式の時に用いられる仏式言葉としては、
「冥福」「供養」「仏様」「お経」など。

お葬式の挨拶で多く用いられている、
「ご冥福をお祈りいたします」というのは
仏式であるため、神式では避けた方が良い。

そして、キリスト教式では人の死というのは
「神の元に召される」ということで、
お悔やみという考え方はしない。

そのため、「ご愁傷さまです」「心よりお悔やみ申し上げます」と
いうご挨拶はせず、「安らかなお眠りをお祈り申し上げます」
という言い方が一般的。

葬儀の際、喪主として又は遺族として挨拶をする場合は、
弔問時の挨拶、通夜ぶるまいの前、
通夜終了時、告別式終了時の挨拶などがある。

弔問時の返答としての言葉としては、
「本日はお忙しい中をお越しくださいまして、誠にありがとうございます。
故人に代わりまして御礼申し上げます」という挨拶を用いることが多い。
弔問に来てくださるのは故人が生前お世話になった方々。
落ち着いて対応し、 弔問への感謝の気持ちを伝えましょう。

また、お香典をいただいたときのご挨拶では、
「ご丁寧にどうもありがとうございます。
霊前に供えさせていただきます」など。

葬式 受付時にすること・しないこと

お葬式に参列する場合の話。
まず、受付で、お香典をお渡しし、記帳をする。
記帳代が分かれているところも多いので、該当する所に行くこと。

記帳した名簿にもとづいて
遺族は香典返しを送ることになりますので、
住所、氏名を丁寧にはっきりと書きましょう。
仕事関係の会葬者は、名刺を差し出してもかまいません。
名刺の左下を少し折り曲げて出し、弔意をあらわします。

お香典をお渡しする時のご挨拶は
「この度は誠にご愁傷様です。心からお悔やみ申し上げます」
が多く使われているようです。
「この度は心からお悔やみ申し上げます」と短く挨拶するのでも
良いでしょう。

受付の時、仏式が多くなっていますが、
お葬式が神式やキリスト教の場合、
神式では仏式の用語、「冥福」「仏様」「供養」などは使わない。
キリスト教では人の死は「神の元に召される」ということで、
お悔やみという考え方はしない。というのに注意しておくと良い。

受付時の挨拶するときには「病状・死因」を聞くことは失礼にあたります。
また、受付時には他の参列者のことを考え、挨拶は短くしましょう。
「忌み言葉」を使わないようにすることも最低限のマナーです。

「忌み言葉」とは、
お葬式の時には重ね言葉や数字の「四」「九」、
そして直接的な「死」の表現です。

重ね言葉では、言葉が重なることで、
不幸が重なる、死が重なるなどに
結びつくため、避けましょう。
お葬式の時に避けた方がよい重ね言葉は、
重ねる・かさねがさね・再三・くれぐれも、
また・たびたび・しばしば・返す返すなどです。

直接的な表現である「死ぬ」「死亡」などはご逝去に、
「生きる」「生存」は「お元気な頃」「ご生前」などに
変えて表現しましょう。

葬式 服装とバッグ

結婚式の服装は何を着ていったらよいのか、と非常に気になります。
ただ、お葬式・お通夜はいきなりのもの。
会社に行ったら、訃報を伺って、今日お通夜などということも。
そんな緊急時を考えて、ロッカーに
喪服や地味な色合いの服を入れておく、という策もあり。

喪服はおしゃれなものもありますが、
目上の方に失礼のないようにシンプルなものが、お勧め。

お葬式というと、女性の装いはやはり基本は黒。
黒ワンピースや黒スーツに黒のストッキング。
靴やカバンも黒。飾りのないシンプルな
デザインのものを用意しましょう。

靴は、サンダルやエナメル素材、コンビネーション、
飾りのあるものは避けること。もちろん素足もNG。
カバンの素材は布やカーフなど光沢のないシンプルなものにします。

ハンカチ、帽子、手袋なども白の無地や
黒のフォーマルなものを用意しておくとよいでしょう。

お通夜は「とりあえずかけつける」ものなので、
お通夜の服装では、グレーや濃紺など地味な色でもOKです。
本来は控えめで地味な装いをするものなのです。
しかし最近ではお通夜にも喪服で参列する場合が
多くなっています。

お葬式やお通夜の時、天気が晴れとは限らないもの。
お葬式用に黒地や地味な色合いの傘を
用意しておいてもよいでしょう。

夏の暑い日のお葬式・お通夜で、ミニスカートやノースリーブ、
胸元が大きく開いた服など、肌の露出は避けるように。

逆に冬場のお葬式では、コートなどの防寒着が必須。
コートも色は黒、紺、グレーなど地味目なものを。。
ジャンバーやダウンジャケットはカジュアルなものに
なってしまうので、避けましょう。
また毛皮や革のコートはタブー!
色が地味でも、毛皮や革は殺生のイメージにつながります。
お葬式・お通夜の場合は避けましょう。

男性の服装も基本は黒。
お葬式・葬儀では、ブラックスーツがよく見られます。
職場などから平服で出かける場合も、
ネクタイは黒か地味な色がよいでしょう。

葬式・香典/お香典袋の全て

お葬式でお香典は必須。中身にどのくらい入れたら良いのか、気になります。
一般にお香典は、目上の方には少なく、目下の方には多くお渡しします。
身内には葬儀費用の分担の意味も込めて多めに、
故人が主人や主婦の場合は多めに、
子供や老人の時は少なめでいいと言われています。

祖父母には10,000円 両親には100,000円 兄弟には30,000~50,000円、
親戚には10,000円 友人には5,000円 職場には3,000~5,000円、
隣近所には3,000~5,000円 というのがお香典の一つの目安になるでしょう。

職場や隣近所の場合では1人1,000円くらいでも連名で包めば良いでしょう。
もちろん、状況によって異なるので、臨機応変に。

なお香典の額は、9を除いた奇数の1、3、5、7の数字にするのが一般的。
お香典に新札を入れるのは、不幸の日に備えていたようで失礼にあたります。
旧札を入れる方がよいでしょう。
新札しかない場合は縦に折り目を入れて、新札ではないようにしましょう。

販売している不祝儀袋(お香典袋)に「御霊前」と「御仏前」がありますが、
どのタイミングで違ってくるのか分からないもの。
「御霊前」と「御仏前」は四十九日法要で違ってきます。
四十九日法要で仏様になるということで、四十九日後は「御仏前」を使用するのです。
「御霊前」が使用できるのは通夜から三十五日の法要までとなっています。

「御霊前」はキリスト教、仏教、神道など宗教問わずに使えると考えられていますが、
実は、真宗の場合には浄土に往生したことで「霊」という定義はありません。
また、禅宗の場合は浄土はないので、初めから「御仏前」を使用します。
神式のお葬式の場合には「御玉串料」「御神前」「御榊料」、
キリスト教のお葬式の場合は、「御花料」、「献花料」、「御ミサ料」を使用します。
しかし、詳細に分けられていないのが現状のようです。

妊婦 葬式 参列について

妊娠中に葬儀に出ない方はよいといわれていますが、
妊婦が葬儀に出てはいけないということはないでしょう。

風習として、妊婦が葬儀に出るときは、
おなかに鏡を入れればよいといわれています。
鏡に魔よけの意味があるため、鏡を外側に向けておき、
穢れを防ぎます。

妊娠中に葬儀に出ないほうがよいというのは、
基本的に葬儀の際に妊婦への精神・肉体的な負担や、
死による「穢れ」を懸念した所からきていると思われます。

そのため、風習(迷信)として、
妊婦が葬式にでてはいけない、というものが生まれたと
考えられます。

妊娠中では体に負担があるため、
妊娠以上の負担を体に与えては、という意味から、
妊婦でもお葬式に出たい、という気持ちはありますが、
妊娠時のお葬式の参列は体調によって決めた方が良いでしょう。

つながりが深い場合、気持ちへの影響も大きく、
既に体調に影響を与えている状態です。

寒い中でのお葬式に出席し、風邪などをひいては
体に障ります。
長く立っていることも場合によっては
体に影響することもあるでしょう。

葬式参列時に何かあっては大変ですし、
故人も体調を悪くさせることを望んではいないと思います。

妊娠時、体調が悪い時などにはお葬式への出席は辞退し、
その後改めて弔問するなどを検討することがよいでしょう。

葬儀当日に弔問できない場合は、弔電をうったり、
お香典とお悔やみ状を添えて郵送する。
後日弔問に行うなどを行うこともあります。

通夜と葬儀(告別式)の参列について

お葬式の流れとして、通夜、そして葬儀(告別式)となります。

通夜と葬儀(告別式)どちらに参列するかは、
「故人との付き合い・地域・ご自分の事情」などによって
異なります。

親族は通夜・葬儀(告別式)の両方に参列するのが一般的ですが、
都合により参列できない場合もあるので、一概には言えません。

また付き合いの深い方などは通夜・葬儀(告別式)の両方に参列する
場合も多いようです。

会社の場合では、通夜・葬儀のどちらかに
参列することが多いでしょう。
会社ではお昼の時間に執り行う葬儀(告別式)の都合が
つきにくいので、通夜の参列が多くなっています。

一般的なつきあいの場合も、
通夜・葬儀のどちらかに参列することが多いでしょう。
もちろん、通夜・葬儀の両方に参列する場合もあります。

通夜は18時から19時などの時間が多く、
通夜の後の通夜ぶるまいは1時間~2時間程度です。
通夜では参列者の数によって、時間の前後があります。
しかし、あまり遅くの時間になるようであれば
葬儀への参列は避けた方がよいでしょう。

告別式は11時から12時まで。
告別式では出棺の関係のありますので、
あまり時間が前後しません。

時間が遅くなってしまうと、
既に通夜や告別式の儀が終了してしまっており、
却って遺族にご迷惑をかけてしまうこともありますので、
注意しましょう。

葬儀当日に弔問できない場合は、弔電をうったり、
お香典とお悔やみ状を添えて郵送する。
後日弔問に行うなどを行うこともあります。

神道 葬式のマナー

仏式の告別式にあたる儀式を、神式葬儀では、葬場祭といいます。
神式葬儀が仏式といちばん異なるのは手水の儀と、
それに引き続いて執り行われる玉串奉奠です。

神道の葬式の大まかな流れは、
まず神官が遺族と参列者および会場を祓い清める。
そして神職により祖霊に供物をお供えをする。
神職は祭詞を奏上し、故人の生前の業績を述べ遺徳をしのびつつ、
祖霊となって遺族を守ってくれるよう願う。
参列者は玉串をささげて、二拝二拍手一拝をおこない故人をしのぶ。
このとき拍手は、音を立てない「しのび手」でおこなう。

神道の葬式に参列した場合、最も異なると考えられるのは、
手水の儀と玉串奉奠です。

仏式と異なる、手水の儀と玉串奉奠は以下。

●手水の儀(身を清める)
①左手に水を注ぎます。
②右手を清めます。
③右手で口をすすぎ、両手を拭きます。

●玉串奉奠
1.霊前の少し手前で遺族に一礼します。
2.串の根元を右手、枝先を左手で受け取ります。
3.時計回りにまわし、根元を霊前に向けて置きます。
4.二礼二拍手一礼をします。
5.霊前から下がり遺族に一礼します。

玉串奉奠で気をつけなければいけないことは、
二礼二拍手一礼と、拍手の時に音をたてない、ということ。

音は静寂の中なので、自然と音をたてないようにするが、
二礼二拍手一礼を心に留めておかないと、
あやまってしまう場合もあるので注意。

神道の葬式の時には、不祝儀袋に記載するのは
「御玉串料」、「御霊前」となる。
不祝儀袋に蓮の花が書いてある香典袋は仏式であるため、
使用しないこと。

キリスト教 葬式のマナー

キリスト教の葬式で最も異なるのは、ご焼香が
献花となっていること。

そのためにお香典もキリスト教の場合は
カトリックなら「御ミサ料」、プロテスタントなら「御花料」
としている。
キリスト教式の葬式では、「御霊前」も可である。
(正確にいうと、お香典は仏式の言い方)

「御霊前」はキリスト教、仏教、神道など
宗教問わずに使えると考えられているが、
正確に言うと、真宗の場合には失礼にあたる。

「御霊前」が使用できるのは、通夜から三十五日の法要まで。
その間は不祝儀袋に「御霊前」と表書きをする。

四十九日の法要からは、故人が仏さまになっているので
「御佛前」か「御仏前」です。

キリスト教の葬式では、仏式、神式と異なっているが、
大体の流れは似ているので、進行に従っていれば
特に問題はない。

キリスト教の葬式で、一番異なる献花の方法は以下。

1.霊前の少し手前で遺族に一礼します。
2.献花は花を右手にして受け取ります。
3.時計回りにまわして、茎を霊前に向けて置きます。
4.一礼します。
5.霊前から下がり遺族に一礼します。

葬式の儀として、遺族への挨拶と
お花を供える、ということを念頭に入れていれば、
特に問題はない。

献花の際に花を右で受け取り、右回り(時計回り)に回す、
ということは決まってはいるが、
右利きの人であれば、花を自然に受け取ることで、
右回りの献花はできる。
過って反時計回りにした場合でも、慌てずに。

故人への追悼の意が表されており、
最低限のマナーを守っていれば、
葬式の際の些細な謝りは大きな問題ではない。